全国に誇れる「フルーツ王国」福島の魅力届けたい(福島豊田町郵便局)

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年間通じ旬の果物生産

国内有数の果物の産地として知られる「フルーツ王国」福島県。とりわけ、県北地域では桃や柿を加工した「あんぽ柿」の生産が盛んです。「ゆうパック」などで地元の果物を全国に発送している福島豊田町郵便局(福島県福島市)の局長で、福島県北部地区郵便・物販担当副統括の渡辺伸克(わたなべ のぶかつ)さんに地元の果物の魅力を聞きました。

――フルーツ産地としての福島県の特長を教えてください。

県内ではさくらんぼ、桃、梨、ぶどう、りんご、柿、いちごなど四季折々の果物が生産されています。現在、桃は都道府県別で全国2位の生産量を誇ります。福島が「フルーツ王国」と呼ばれるゆえんは、このような種類の豊富さに加え、年間を通じて旬の果物が生産されている点にあります。

県北地域は古くは養蚕業で発展した地域でした。第2次世界大戦後に養蚕業が衰退したことに伴い、桑畑が果樹園に転換していった歴史があります。私の実家も小学校低学年のころ、養蚕農家から果樹農家に切り替わりました。今では寒暖差の大きな盆地特有の気候と風土を活かし、季節ごとに新鮮な果物が生産されています。初冬の時期の特産品としては、県北の風物詩としても知られる「あんぽ柿」があります。あんぽ柿は干し柿の一種ですが、独特の製法で乾燥させることでしっとりとした食感や濃厚な甘さを備え、高級品としても重用されています。

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風評被害受けた出荷量

――2011年3月の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から11年が経ちました。生産者の皆さんは長引く風評被害に苦しんできました。

県産の桃は原発事故前まで5kg2,000円で取引されていましたが、風評被害の影響で一時は300円まで価格が落ち込みました。「あんぽ柿」は生産自粛を余儀なくされました。農地や果樹の除染とモニタリング検査という生産段階・出荷段階の放射性物質対策を徹底してもなお、風評を完全に払拭(ふっしょく)するのは難しいのが現状です。生産者である父の姿を見てきた分、農家の皆さんのご苦労は身にしみて感じています。  郵便局は過疎地域も含む全国すべての市町村に約2万4,000あり、日本全域を網羅するネットワークを有しています。事業の要である郵便サービスを活用し、品物をご注文いただき、発送先まで安全に素早くお届けしています。風評被害で落ち込んだ果物の出荷量を回復させるため、地元が誇る特産品を少しでも多くの消費者の皆さんにお届けしていくことで地域を元気づけていきたいと思います。

生産者の皆さんから小包を集荷し、贈り先に届ける従来のサービスに加え、2014年からJAふくしま未来さんと協力し、「ふるさと小包」のカタログ販売を全国に向けて扱っています。郵便局が窓口として注文を受け付けて生産者の皆さんに伝え、梱包された商品を受け取り発送しています。おいしい果物を支えている生産者の皆さんの思いを全国に届けたいですね。

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「おいしさ」「安全性」お手元に

――取り組みを始めてから変化はありましたか。

インターネットで商品の注文ができる時代ですが、郵便局はインターネットでの買い物が難しいお客さまも窓口で対応できる身近な存在です。JAふくしま未来さんのデータによると、出荷量は震災前と比較して8割程度まで戻ってきているようです。郵便局の取り扱い数は現在、桃が9,000個、あんぽ柿が4,500個と毎年増えてきています。おいしい桃やあんぽ柿が全国の皆さまのお手元に届いていることがうれしいです。果物の「おいしさ」と「安全性」を地域密着で届けたいですね。

福島の四季の果物 1年間届けたい

――今後、取り組みたいことは。

四季を通して果物がある福島の魅力を全国にお届けしたいです。さくらんぼから桃、梨、ぶどう、りんご、あんぽ柿、いちごという1年間を通した商品ラインナップを作って、取り扱っていきたいです。福島県のおいしいものを知っていただいて、多くの方に手に取っていただきたいと思っています。

生産者の皆さんからいただいたおいしい桃やあんぽ柿を丁寧にお届けする。届いたお客さまにおいしくいただいてもらう。これが一番の願いです。

※撮影時のみマスクを外しています。

※郵便局の「ふるさと小包」では各種産品を販売していますが、時期によって取り扱っていない商品がございます。

古里の味をお客さまの思いとともに届ける(いわき鹿島郵便局)
郵便局の「ふるさと小包」
            

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